自然科学研究機構

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展示概要

自然科学研究機構は5つの研究機関(国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)と、4つの直轄センター(アストロバイオロジーセンター、生命創成探究センター、新分野創成センター、国際連携研究センター)で構成されています。ここでは主に4つのセンターについて紹介します。

展示詳細

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アストロバイオロジーセンター

Astrobiology Center (ABC)

 アストロバイオロジーセンターは、太陽系外惑星や、宇宙にいるかもしれない生命についての学際的研究を推進するために設立されました。近年の太陽系外惑星観測の進展を契機に、「宇宙における生命」を科学的に調査し、その謎を解き明かすアストロバイオロジーの研究が喫緊の課題となっています。

 アストロバイオロジーセンターは、異分野融合によりこの分野を発展させ、太陽系外の惑星探査、太陽系内外の生命探査、それらの探査のための装置開発を推進しています。

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太陽型星(左下+マーク部)を周回する巨大惑星の発見画像(右上の白く輝く点)

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生命創成探究センター

Exploratory Research Center on Life and Living Systems (ExCELLS)

 生命創成探究センター(ExCELLS)は、「生きているとは何か?」という人類の根源的な問いの解明に向けて、生命の本質の理解を目指した研究を進めるべく、2018年4月に設立されました。最先端機器で生物を観察し(みる)、最新手法でデータを解析して(よむ)、生命の仕組みの解明を目指します。

 さらに構成的アプローチを取り入れ(つくる)、生命システムの本質に迫ります。「みる・よむ・つくる」のアプローチを基軸に、極限環境生命の研究者とも協力しながら、異分野融合型の研究を進め、生命の設計原理を探究しています。

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高速AFM光学顕微鏡複合機:タンパク質から細胞まで様々な生体分子の動態が可視化。光学顕微鏡との組み合わせも可能。

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電子顕微鏡で撮影したクマムシ

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新分野創成センター

Center for Novel Science Initiatives (CNSI)

 自然科学研究において研究手法の拡がりや異分野の交流は、当該分野の進展に資するだけでなく、新しい研究分野を生み出しつつあります。この大きな流れを先導する目的で、新分野創成センターでは、これまでイメージング科学、脳科学、宇宙における生命科学という新たな分野の創出に貢献してきました。

 そして現在、光科学の研究成果の異分野への応用を目指す「先端光科学研究分野」、プラズマ科学と生命科学の分野融合研究となる「プラズマバイオ 研究分野」を新たに立ち上げ、両分野において公募研究を含む分野創成研究を推進しています。

 特に「プラズマバイオ 研究分野」では、名古屋大学低温プラズマ科学研究センターおよび九州大学プラズマナノ界面工学センターとコンソーシアム(共同体)を形成し、連携研究を強力に進めています。また、センター内の新分野探査室では、次世代の新分野となり得る研究活動の探査も進めています。

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生体へ直接照射可能な低温大気圧ヘリウムプラズマジェット

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国際連携研究センター

International Research Collaboration Center (IRCC)

 これまで機構内の各機関では、さまざまな国際交流活動を推進し、発展させてきました。これらの海外機関との組織的な連携による、分野や機関の枠を越えたさまざまな取り組みをさらに発展させるべく、国際連携研究センター(IRCC)は設立されました。

 IRCCには、t年モン物理学と核融合科学の融合分野である「アストロフュージョンプラズマ物理研究部門(IRCC-AFP)」と、生物学における定量測定とイメージング技術を融合させる「定量・イメージング生物学研究部門(IRCC-QIB)」の2部門が設置され、今後の研究のさらなる発展が期待されています。

アストロフュージョンプラズマ物理研究部門(IRCC-AFP)

 自然科学研究機構とドイツ・マックスプランク協会関係研究所、アメリカ・プリンストン大学の3者の連携により、天文学および核融合学に共通するプラズマ物理学の総合的な探究を目的とした国際共同研究を推進しています。

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定量・イメージング生物学研究部門(IRCC-QIB)

 アメリカ・プリンストン大学の新しい数理科学的解析手法やイメージング手法などを取り入れた定量生物学分野と、自然科学研究機構の基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所および生命創成探究センターが連携し、次世代の定量・イメージング生物学を創成するべく国際共同研究を推進しています。

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「アストロバイオロジーセンターってどんな研究をするところ?」

アストロバイオロジーセンター 日下部 展彦 特任専門員

 1995年に太陽系外惑星が発見され、それ以降現在まで4000個を超える系外惑星が発見されています。その中には、液体の水が存在しうる系外惑星も含まれ、宇宙における生命について考えることは、サイエンス・フィクションにとどまらず、科学的に検討できるテーマとなりました。天文学者は、星や惑星、その材料となる宇宙に存在するガスや塵などについてよく知っている一方、どの環境でならば生命が存在しうるかなど、生物学的な知見は少なく、生物学の研究者との学際的研究が必要不可欠となりました。

 このような背景から、2015年、自然科学研究機構では、系外惑星の研究を軸とした「アストロバイオロジーセンター」を設立しました。当センターは、「系外惑星探査プロジェクト室」「宇宙生命探査プロジェクト室」「アストロバイオロジー装置開発室」の3室で構成しており、それぞれの成果をフィードバックしながら宇宙における生命の兆候を探すための研究を進めています。

 ここでは、宇宙における生命に対し、アストロバイオロジーセンターではどういう研究を進めているのかについて、全体像を簡単にご紹介します。

「系外惑星の観測とアストロバイオロジー:現状と今後」

アストロバイオロジーセンター 田村 元秀 センター長

 太陽以外の恒星をめぐる惑星(系外惑星)の発見が2019年ノーベル物理学賞を受賞したのは、皆さんも記憶に新しいと思います。この発見を契機として、系外惑星の研究はわずか25年ほどで現代天文学の最もホットなテーマのひとつとなりました。その理由としては以下のことが挙げられます。

(1)系外惑星は実に多様です。人類は太陽系を手本として、太陽のような恒星と8個の惑星(と多数の小天体)の起源と進化を理解しようとしていましたが、今や、恒星はもちろん惑星の研究も太陽系に閉じる必要はなくなりました。

(2)系外惑星の観測方法は実に多彩です。天文観測技術の近年の進展は著しく、大小さまざまな望遠鏡に特別な装置や工夫をした観測を行うことで、多種多様な系外惑星が発見できるようになりました。とりわけ、系外惑星を直接に画像に写せるようになったことは、現代の技術の一つの到達点を表していると言えると思います。

(3)地球のような生命を宿せる系外惑星の観測が実現できるようになってきました。これによって、「地球だけが生命を宿す特別な存在なのか?」それとも「多数の第二の地球が存在し、そこには生命が存在するのか?」と言った、人類の根源的・普遍的な問いに挑戦する試みが始まり、宇宙に生命の起源や進化などを研究する「アストロバイオロジー」に注目が集まっています。日本でも、これまでの直接観測の成功などを背景に、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターを中心として新たな世界最先端装置が開発され、その観測が本格化しつつあり、天文学と生物学とが連携した研究も進みつつあります。

 本講演では、系外惑星観測の25年を振り返るとともに、この数年の大きな発見について紹介します。また、すばる望遠鏡における赤外線による地球型惑星観測や超補償光学系の成果についても解説します。さらに、近い将来計画として、地上の30メートル望遠鏡の目標と旗艦スペース望遠鏡であるJWSTとRoman宇宙望遠鏡への期待と貢献についても述べます。

「系外惑星観測の最新技術(IRD、REACH、TMTに向けて)」

アストロバイオロジーセンター 小谷 隆行 助教

 天文学の発展の歴史は、観測技術の発展の歴史でもあります。アストロバイオロジーセンターでは、新たな太陽系外惑星の発見と、惑星大気組成などを明らかにするための、最先端の観測装置開発を行っています。本講演では、すばる望遠鏡用の観測装置であるIRDと極限補償光学、そして将来の地上30メートル級望遠鏡による、地球に似た惑星の探査と生命の痕跡を調べる観測装置について紹介します。

 IRDは、近赤外線と呼ばれる天体の光を非常に細かく分解してスペクトルを測定する装置で、これにより系外惑星が恒星のまわりを公転することで生じる恒星の「速度のふらつき」を極めて高精度に測定し、惑星の存在を突き止めます。IRDは特に、地球に似た惑星を発見することを目的に開発され、昨年からすばる望遠鏡の観測時間を5年間で170夜以上使用する大規模観測を開始しました。

 惑星の存在が確認されれば、次は「直接撮像」という手法で、惑星自体から発せられる光を直接詳しく調べます。そのためには、観測の妨げになる地球大気の揺らぎと、惑星よりも何桁も明るい恒星の光を取り除く必要があります。そのための観測装置が「極限補償光学」と呼ばれる、大気の乱れをリアルタイムで測定し高速で補正する装置です。私たちは、この極限補償光学とIRDを組み合わせることで、系外惑星の大気組成を非常に詳しく調べることを可能にしました。これによって、生まれて間もない木星程度の質量の系外惑星を詳細に調べることができます。

 次の、そして究極の目標は将来の口径30メートル級望遠鏡による、地球に似た系外惑星の直接撮像観測と、系外惑星に生命の痕跡を探ることです。これには、IRDと極限補償光学をさらに発展させた観測装置が必要になります。この究極の観測装置は、国際共同開発となりますが、アストロバイオロジーセンターはその中でも極めて重要な部分を担当することになります。

参加機関について

自然科学研究機構

 自然科学研究機構(NINS)は、宇宙、エネルギー、物質、生命等に係る大学共同利用機関(国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)を設置・運営することにより、国際的・先端的な研究を推進する自然科学分野の国際的研究拠点として、全国の大学等の研究者に共同利用・共同研究の場を提供しています。これらの共同利用・共同研究の成果は、参加した大学等と大学共同利用機関の成果であり、大学の研究力強化に貢献しています。

 自然科学研究機構は、大学共同利用機関法人として大学の研究力強化に貢献しています。それぞれの学術分野の特性を活かしながら ①大学の枠を越えた共同利用・共同研究 ②大学に直接貢献するネットワーク型共同研究 ③国際共同研究 といった共同利用・共同研究を推進しています。そしてこれらの共同利用・共同研究の実施を通じて世界最先端研究を推進しています。